「快適で地球に優しい暮らしがしたい」
もしあなたが、そう思うのであれば、家づくりを始める前に「パッシブデザイン」を知っておいていただきたいと思います。
※夏は日射を遮り、存分に風が通るように。
※冬は太陽の熱を取り入れ、夜まで部屋が暖かいように。
※一年を通して、太陽の光で家の中が明るくなるように。
パッシブデザインは、膨大なお金をかけず、家のつくりをちょっとだけ工夫して、自然の力を最大限に利用する設計手法のことを言います。本当の「エコ住宅」をつくるには、このパッシブデザインが欠かせません。多くの住宅会社が、エコ設備やエコ家電、太陽光発電システムを代表とする自然エネルギー利用設備を活用するだけで「エコ住宅」と宣伝していますが、本来のエコ住宅とは、パッシブデザインを融合させてしっかり考える住宅のことだと私たちは考えています。
南出建設の考えるパッシブデザインとは!?
「快適であること」
そこに住まうご家族が、「快適に暮らせること」を大切にしています。快適というと分かり辛いかもしれませんが、例えば、「朝起きたときに寒いと感じない」「夏、外から帰ってきたときに涼しい状態で室内が保たれていること」「夜になると、自然に室内が暖かくなる」といったことなどが挙げられます。和歌山県はどのように風の流れが通っているのかなど、データをもとに、根拠のある「快適な生活」を実現させます。
「健康であること」
素材はもちろんですが、室内環境によっても健康は左右されます。あなたも聞いたことがあるかもしれませんが、「ヒートショック」という現象で死亡してしまう方も少なくありません。「ヒートショック」とは脳内出血や大動脈、心筋梗塞、脳梗塞などの病気の事を言い、実は交通事故死よりも、このヒートショック死の方が3倍近く多いのです。これは、部屋と部屋の温度差が著しく変化している場合に起こることが多く、例えば、「夜中トイレに行ったらブルっとした経験」を持たれている方も多いのではないかと思います。そういったことが無いように、素材はもちろん、家全体の温度をある程度均一に保つように設計デザインをすることで、健康な家を作ることが可能になります。
「本当の省エネであること」
南出建設では、「高性能な商材を使って快適にすればいい」という考えは持っていません。なぜなら、それでは本当の省エネにならないからです。本当の省エネというものは、環境にも優しいものでなければなりません。例えば、エコ家電をいっぱい使って省エネというのも、カタチとしては省エネですが、これでは、電気の消費は変わらないのです。本当に追求しなければならないことは、「電気を使わずに快適に暮らすこと」なのです。
南出建設では、ここまで考えた家を「パッシブデザインの家」と定義しています。よろしければ、あなた様の家づくりの参考にしてみてください。いつでも、「快適な暮らし」を実現するための知恵をご紹介させていただきます!!
下のモデルプランでの
パッシブデザインの要素をご説明します。
①昼光利用のデザイン
太陽光をそのまま光(照明)として利用し、室内を明るくすることを目的として設計することが、この昼光利用という設計手法です。これにより、昼間に照明に頼らず生活ができるようになるのです。このモデルプランの場合、吹抜を採用し、解放感を与えるだけではなく、2階の窓からも昼光利用を行いました。
②日射熱利用のデザイン
冬の太陽は南側に長時間滞在するので、多くの日射は南側から受けることになります。このパッシブモデルプランの場合、南側の和室へつながる廊下部分をタイル貼りにしています。これはデザインだけではなく、床をタイルにすることで昼間の温かい日差しをタイルに蓄熱し、夜になると、蓄えられた熱が徐々に室内に放出される仕組みになっています。
③通風のデザイン
体に風が当たると涼しいと感じます。低温の風が当たるとより涼しく感じます。この効果を利用しようとするのが自然風利用の狙いです。どこから風が吹いてきても風が通るように考えながら、入口と出口の窓を設けることや上下方向に通る「立体通風」を意識しなければなりません。また、 和歌山県の卓越風向を元に窓の位置を計することも大切になります。
④日射遮蔽のデザイン
日射遮蔽は「夏涼しく」の基本となるものです。また、冷房時にも取り除く熱を減らすという意味で省エネルギーにつながります。断熱は冬の基本、日射遮蔽は夏の基本と言えます。また、日照のシミュレーションを行い、家を建てる際、実際にある周りの建物などを想定し、いつどこに日射が当たって、どこに当たらないかを1物件ずつシミュレーションしています。
⑤断熱のデザイン
「冬暖かく」を実現する上で断熱はとても重要です。断熱性能を上げていけば、内外温度差が大きくなり、暖房室と非暖房室の温度差も小さくなります。また、室内外に面した部分の表面温度も高く維持されることで快適性が向上します。断熱性能を上げることは、夏における日射遮蔽(できるだけ室内に太陽熱を入れないこと)にも有効です。気をつけなければいけないことは、断熱性能の向上によって保温性が高まり、建物内部にある熱が逃げにくくなるという現象が起きることです。
昨今は、省エネの意識も高まり、高断熱・高気密の住宅や、ソーラーパネルが急速に普及しています。それら高性能の住宅は、この改正は問題なくクリアできるはずです。しかし、私たちは断熱性能だけを上げるのが和歌山県で建てる本当の省エネ住宅とは考えず、パッシブデザインの設計要素を盛り込み、地域や立地に応じてうまく組み合わせ、「実際に快適で、健康的で、省エネになる住まいづくり」を目指しています。
断熱性能や保温性能を表す指標
建物全体の断熱性能の指標として「UA値」があり、実際にその建物がどの程度の断熱性能を持っているかを知るには、こうした指標を見ることが確実です。現在和歌山県ではUA値0.87を国が基準として定めていますが南出建設のパッシブデザインの建物はUA値0.46を目標に設計、施工しています。
高気密高断熱は快適?
最近「高気密高断熱なので快適」というチラシなどを目にすることがあります。
「気密」とは、室内外の空気の移動を少なくするために隙間を小さくすることを言い、C値(隙間相当面積 ㎠/㎡)として表されます。
隙間が少なければ、冬に暖まった空気が外に逃げにくくなったり、夏には外の熱い空気が侵入しにくくなったりと、冷暖房効率が良くなります。
「断熱」とは文字通り、熱を断つということ。熱の伝わりにくい材料を屋根や壁、床に施し、室内の熱を逃がしにくく、また外の熱が室内に伝わりにくくすることを言い、今はUA値(外皮平均熱貫流 W/㎡K)として表されます。
いずれも温熱環境への影響(室温の維持)には不可欠であり、重要な性能であることは間違いありません。つまり高気密高断熱の住まいは、健康的に暮らすための基本性能なのです。
しかし、高気密高断熱だけの家で本当に快適なのでしょうか?
高気密高断熱の家の特徴は‘熱を逃がしにくい’ということでした。
エアコンで暖めたり、窓から入った熱を蓄えて、しっかりと保温してくれます。
これは、冬にとってはとても有効です。
しかし夏はどうでしょう。
同じように、窓から入った高温の熱を蓄え保温してしまいます。外気温より室温の方が大幅に高くなった建物を冷やすためにエアコンを長時間稼働させるといった状況が起こりうるのです。
気密性や断熱性だけを高くした、いわゆる高性能住宅では、冬は省エネになりそうですが、夏は決して省エネで快適とは言い難いのが実情です。
そこでとても大事になってくるのが日射遮蔽です。
夏の暑い日差しを室内に入れないための日射遮蔽は、夏期における快適と省エネを実現させるための基本中の基本です。最近になって断熱性能はかなり注目されるようになってきましたが、日射遮蔽性能についてはまだまだ理解や工夫が足らないように思います。とくに「断熱性能(保温性能)を高めていくと、夏の室内が少しずつ暑くなっていく」という現象が起きるのですが、この問題を解消するには日射遮蔽のデザインをしっかり考えることが何より重要です。南出建設では日照のシミュレーションを入念に行い、家を建てる際、実際にある周りの建物などを想定し、いつどこに日射が当たって、どこに当たらないかを1物件ずつシミュレーションしています。
パッシブデザインにはメリットがいっぱい!
メリット1 とても快適
1、エアコンやファンヒーターの利用が最小限で済みます。
2、室内や湿度が安定し、寒さ・暑さの不満が解消できます。
メリット2 健康な暮らしが待っています!
1、ヒートショックが起きる環境を回避できます。
2、肌のかゆみやアトピー性疾患が改善されます。
3、女性特有の冷えが緩和され、美容と健康につながります。
4、風邪が引きにくくなります。
メリット3 経済的にもうれしい
光熱費が大幅に削減されます。
また、パッシブデザイン住宅は、設計したらおしまい。というわけではありません。住まい手の暮らし方に大きく左右されます。一緒に高熱費削減に取り組みましょう。
また、光熱費を削減するだけでなく、電気・ガス・灯油等の家庭エネルギー削減も期待できます。
CO2削減にもつながり、地球温暖化を抑制するにもつながるのです。